二相ステンレス鋼とは
二相ステンレス鋼(Duplex stainless steel)とは、オーステナイト相とフェライト相の両方を含む特殊なタイプのステンレス鋼です。
これら二つの相の組み合わせにより、二相ステンレス鋼は独特の物理的および化学的特性を持っています。
二相ステンレス鋼の特徴
二相ステンレス鋼は様々な特徴を持っております。
二相ステンレス鋼の特徴をご紹介いたします。
①高強度
高い強度により薄肉化ができ、設計の工夫で重量が軽くすることができます。
ステンレス材料重量が軽減されることで材料使用重量が減り、コストダウンに貢献します。
さらに耐摩耗性にも優れています。
②高耐食
使用環境や用途を考慮して、適材適所の材料鋼種を選定することで、
強度と耐食性を両立させることができます。
③低熱膨張
熱疲労特性が向上するため、熱歪みを軽減させることが可能です。
④優れた研磨性
様々な用途へ適したさまざまな研磨加工が可能です。
二相ステンレス鋼は、外観部品追証性の高い研磨加工や、内部部品に必要な機能性研磨加工など
様々な用途に合わせて豊富な研磨加工が可能なステンレス鋼です。
例えば、ポピュラーなバフ研磨では非常に良好な研磨性があります。
⑤省資源ステンレス鋼
レアメタルの含有量が少ないため環境にやさしいステンレス鋼です。
それゆえ価格は安定します。環境負荷が軽減されるステンレス鋼です。
もちろん、ステンレス鋼の特徴でもあるリサイクル・再生可能な金属材料となります。
二相ステンレス鋼は、サスティナブルな金属です。
二相ステンレス鋼の加工性
二相ステンレス鋼はレーザー加工切断が可能です。
材料の強度が強いために、機械的な剪断であるシャーリング加工では倍の切断能力が必要となります。
それゆえに、切断はレーザー加工が最適です。他には、ウォータージェット切断、ウォータープラズマ切断も可能です。
二相ステンレス鋼は、耐指紋効果と防眩性、耐摩耗性が付加されています。
加工手順としては、各二層ステンレス鋼を研削研磨加工後にバフミラー光沢研磨表面にして、清浄度を上げます。
SUS329J1は特に耐摩耗性重視(MAKO-IITK2HUB)
SUS821L1は防眩性と手触り性を重視(MAKO-IITK16UB)
それぞれに対して適応する研磨加工を施しています。
最終的にはMaCoatGCコーティングを行い耐傷つき性、耐指紋性を向上させています。
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二相ステンレス鋼の意匠性と実績
二相ステンレス鋼SUS821L1
SUS821L1の特徴は、SUS304鋼と同等以上の耐食性で高強度であることです。
具体的は0.2%耐力で約2倍の高度を誇ります。
つまり、SUS304で製造されているルーバーやステンレス金物に対して、
高強度特性を活用することで、板厚を薄くし、それにより軽量化とコストダウンが図れます。
屋外に使用される意匠性ルーバーなど、強度が必要で
中厚のステンレス鋼を使用されている場合に大きな貢献が期待できます。
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二相ステンレス鋼SUS329J1
SUS329J1の特徴は、高耐食ステンレス鋼であるSUS316L鋼と同等以上の耐食性で高強度です。
具体的は0.2%耐力で約2倍以上の高度を誇ります。
耐食性が必要な塩害地域や海水付近への建築パネルなどSUS316Lで製造されているステンレス加工物に対して、
優れた高耐食特性と高強度特性を活用することで、板厚を薄くし、それにより軽量化とコストダウンが図れます。
強度が必要で耐食性の必要なステンレス鋼を使用されている場合に大きな貢献が期待できます。
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まとめ
ステンレス鋼はさまざまな用途に合わせた鋼種があります。
その中でも、二相ステンレス鋼は強度と意匠を両立できる素晴らしい性能をもっています。
鋼種を適切に選定していくことで、軽量化やコストダウンに繋がります。
さらに、意匠・機能性のある研磨加工は多くの付加価値を向上させていくことも可能となります。
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