アルミニウムのMaCoatGCによる耐食性向上
アルミニウムはステンレス鋼やチタンと比較して錆が発生しやすいために、通常はアルマイト処理という陽極酸化皮膜を被覆して保護します。
単純な白っぽい白アルマイトから、カラーアルマイトまで様々な装飾ができ、近年では、光沢のあるアルマイトも可能となり、様々な空間で使用されています。
また、アルマイト以外にも塗装やクリア塗装で表面に装飾を施したり、印刷されたシートを貼り付けることで、アルミとは違う意匠を表現できたりします。
ところが、アルマイトや塗装では、本質的なアルミの表情が消えてしまうため、アルミ本来の白く輝く儚くも美しい印象をどうにか表現すべく、弊社のMaCoatGCによる耐食性を向上させる試験を行ってまいりました。
結論として、塩水噴霧試験１０００時間後の状態で、チタンやステンレスには及びませんが、汎用の生アルミや、通常アルマイト品と比較しても遜色のない耐食性を得ることができました。
塩水噴霧試験とは
塩水噴霧試験とは、金属材料や塗装、めっき皮膜、コーティングなどを施した製品や部品、試験片に対して、連続して塩水を噴霧させることで、腐食を促進させて製品の耐食性を評価する試験です。この試験は、製品の耐食性を確認するために行われます。
主な塩水噴霧試験の種類:
１）中性塩水噴霧試験:
一般的な塩水を対象物に吹きつけ、洗い流した後にその経過を観察する試験方法です。
試験溶液として5％の塩化ナトリウム溶液を使用します。
２）CASS試験:
中性塩水＋酢酸＋塩化第二銅で構成された水溶液を噴霧する試験で、中性塩水噴霧試験よりも腐食環境が強い試験です。
塩水噴霧試験の目的は、製品の「耐食性の評価」です。耐食性とは、錆や腐食に耐える性質のことを指します。特に、自動車や医療機器の部品など、命に関わる可能性のある製品においては、この試験が重要であると言われます。
塩水噴霧試験の活用について
大気腐食試験の促進試験として選定されることが多いですが、さまざまな環境を想定したすべての環境因子を網羅した試験ではありません。
対象試料の耐候性・耐食性を的確に評価するのは非常にこんなんであるため、比較試験による評価としての位置付けです
対象試料の従来品と開発品の比較試験や製品の品質管理などで用いられています。
塩水噴霧試験の相当年数
塩水噴霧試験は加速試験ではないために、地域や環境により様々な状況を網羅できていないので、相当年数を一概に言うことはできません。
ただし、現行品と比較してその損傷具合を比べたりすることで、ある程度の判断基準を得ることができます。
塩水噴霧試験 開始前
メーター 4817.5h
塩水噴霧試験１０００時間の結果
塩水噴霧試験投入前
塩水噴霧試験 1000時間後
背面
左から
A1100アルマイト
A1050生材
A1050ミラー仕上げ＋MaCoatGC
A1050 Beads Blast + MaCoat GC
A5052 Vibration + MaCoat GC
A5052 梅枝＋MaCoat GC
A5052 Metal Kilim + MaCoat GC
IP ゴールドチタン
SUS304 ヘアライン
ZAM
わかりやすいのは鏡面仕上げでMaCoatGCの効果が持続し、鏡面状態を維持している、
部分的に錆は発生しているが、鏡面の損傷はA1050生材と比較して少ない。
A1100アルマイトはシミ状の腐食が発生しているがアルミ光沢は失われている。。
ZAMは完全に腐食しており、SUS304はうっすらと初錆、IPゴールドチタンは全く損傷ない
MaCoat GCコーティングでA1050とA5052の２種あるのはアルミ種類で差があるかを確認するためです。
経過観察：塩水噴霧試験211時間の結果
塩水噴霧試験211時間
メーター 5028.9h
上段右から
A1050生材
A1050ミラー仕上げ＋MaCoatGC
A1050 Beads Blast + MaCoat GC
A5052 Vibration + MaCoat GC
A5052 梅枝＋MaCoat GC
下段右から
A5052 Metal Kilim + MaCoat GC
A1100アルマイト
ZAM
SUS304 ヘアライン
IP ゴールドチタン
経過観察：塩水噴霧試験477.5時間の結果
塩水噴霧試験477.5時間
メーター5295.0h
上段右から
A1050生材
A1050ミラー仕上げ＋MaCoatGC
A1050 Beads Blast + MaCoat GC
A5052 Vibration + MaCoat GC
A5052 梅枝＋MaCoat GC
下段右から
A5052 Metal Kilim + MaCoat GC
A1100アルマイト
ZAM
SUS304 ヘアライン
IP ゴールドチタン
経過観察：塩水噴霧試験812.5時間の結果
塩水噴霧試験812.5時間
メーター5630.0h
上段右から
A1050生材
A1050ミラー仕上げ＋MaCoatGC
A1050 Beads Blast + MaCoat GC
A5052 Vibration + MaCoat GC
A5052 梅枝＋MaCoat GC
下段右から
A5052 Metal Kilim + MaCoat GC
A1100アルマイト
ZAM
SUS304 ヘアライン
IP ゴールドチタン
経過観察：塩水噴霧試験1028.8時間の結果
塩水噴霧試験1028.8時間
メーター5846.3h
上段右から
A1050生材
A1050ミラー仕上げ＋MaCoatGC
A1050 Beads Blast + MaCoat GC
A5052 Vibration + MaCoat GC
A5052 梅枝＋MaCoat GC
下段右から
A5052 Metal Kilim + MaCoat GC
A1100アルマイト
ZAM
SUS304 ヘアライン
IP ゴールドチタン
塩水噴霧試験1028.8時間後の詳細
A1100アルマイト A1050
A1050 バフミラー＋MaCoat GC A1050 BeadsBlast＋MaCoat GC A5052 Vibration＋MaCoat GC
A5052 梅枝＋MaCoat GC A5052 Metal Kilim＋MaCoat GC
IPゴールドチタン SUS３０４ ヘアライン ZAM
塩水噴霧試験1028.8時間後 詳細２
A1050 バフミラー＋MaCoat GC A1050生材 A1100アルマイト
A1050 BeadsBlast＋MaCoat GC A1050生材 A1100アルマイト
A5052 Vibration＋MaCoat GC A1050生材 A1100アルマイト
A5052 梅枝＋MaCoat GC A1050生材 A1100アルマイト
A5052 Metal Kilim＋MaCoat GC A1050生材 A1100アルマイト
ZAM A1050生材 A1100アルマイト
A1100アルマイト A1050生材 A1100アルマイト
SUS３０４ ヘアライン A1050生材
SUS304はうっすらと薄茶色の初錆を確認
IPゴールドチタン A1050生材 A1100アルマイト
IPゴールドチタン A1050生材
まとめ
塩水噴霧試験は比較試験を用いることでその性能を把握することが可能です。
屋外で内陸部であればステンレス鋼が汎用耐久性もコスト的にも優れています。
塩害地域(海側）であれば、海水絶対耐性のチタンがコスト的にも耐久性にも優位です。
アルミニウムはアルマイトやコーティング、塗装を施すことで屋外への使用は可能と思いますが、今回、試験を行ったMaCoat GCの使用においては、屋内推奨となります。
屋内の装飾でアルミの美しい白銀の肌で意匠を奏でる場合、MaCoat GCをコーティングすることで耐食性と意匠性を付加することが可能です。
アルミ本来の美しさをMaCoatGCでお届けします。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
耐指紋・耐腐食コーティング MaCoat GCのご紹介
https://www.top-macoat.co.jp/coating/
＜販売＞※弊社の販売子会社が販売しています。
https://www.top-macoat.co.jp/
