ステンレス製の壁面や天井は意匠性が良いと言う視覚的な印象もありますが、機能的にも大変優れた特徴があります。
一般的な屋外金属壁でよく見かけるのは鉄の壁や塗装された金属壁であり、
ドラッグストアや量販店など大型の店舗にはカラフルな塗装が施された金属壁が使用されています。
しかし、ステンレス製の壁を用いることにより太陽光線に照らされ輝き、金属本来の色合いで美しい意匠を表現する壁面を製作することが可能です。
今回は、壁面をステンレス製にすることによる意匠性・機能面でのメリットや耐候性、メンテナンス方法について解説いたします。
ステンレス壁の写り込み
壁面をステンレス製にすることにより、塗装を施さずとも加工のみで金属そのままの状態での使用が可能となります。
つまり、ステンレス鋼を鏡面に磨いた状態であれば、鏡のように風景を写し込む壁面を作り出すことが可能となります。
また、鏡面加工状態をコントロールすることで、ぼんやりと映るステンレス壁や、くっきりと映し込むステンレス壁など、さまざまなバリエーションでの設計が可能となります。
ステンレスの鏡面研磨による見え方、映り込みについての詳しい情報はこちら
【ステンレス壁の製品事例】福岡弁護士会館ステンレスパネルの詳細はこちら
ステンレス壁の反射を抑える方法
壁面にステンレスを使用する場合、場所によっては太陽光線を反射させて周囲への眩しさを与えてしまうケースに注意する必要があります。
その場合、ステンレス壁を防眩効果を持つ光を拡散するような表面に加工する必要があります。
意匠研磨加工によってステンレス壁の表面の光を拡散する方法は多岐にわたるため、
デザインや環境に合わせて、さまざまなオーダーメイドに対応であることがステンレス壁の特徴です。
【反射を抑えたステンレス壁の製品事例】ディズニーコンサートホールの詳細はこちら
多彩な表面デザインを形成するブラスト加工
ステンレス壁の光の反射を抑える一つの手法としてブラスト加工によるステンレス意匠があります。
ブラスト加工とは、メディアと呼ばれる粒子を空気を用いてステンレス鋼にぶつけて表面を荒らし、意匠を作る手法です。
そのブラスト加工と意匠研磨加工を複合させることで光の反射のコントロールや色合い、見え方を調整していくことが可能となります。
若干、各種ブラスト加工の種類によってはステンレス壁材料の板厚に制限がある場合がありますのでご注意ください。
ステンレス壁のブラスト加工について詳しくはこちら
この写真のパネルは、ぼんやりと風景を写し、光を乱反射させるステンレス壁材です。
厳密に言うとステンレスと樹脂の複合板の事例ですが、都内でも数多くの場所にご使用いただいている幻想的なステンレス壁材です。
ぼんやり映るステンレス壁の壁材について詳しくはこちら
その他の加工方法についてはこちら
ステンレス壁の耐候性
ステンレス壁に使用するステンレス製建築パネルのメリットはなんと言っても、金属素地のままで屋外使用が可能な点にあります。
塗装などを施さずとも使用可能なため、塗膜の耐候性劣化による色褪せや変色、塗装剥がれなどが起こりません。
しかし、注意しておかなくてはならないのは、使用される地域や場所によって、適切な耐食性を持つステンレス鋼種を選定する必要があることです。
汎用ステンレス鋼で全て賄えるわけではないのでご注意ください。
ステンレス壁のメンテナンス
ステンレス壁に対してのメンテナンスはというと、半年に一度程度の頻度で高圧水などを用いて水洗いするのがおすすめです。
細かいもらい錆などを除去するのに酸洗や電解、研磨など必要に応じて行うことも可能ですが、その補修部分が意匠的に変化してしまいます。
そのため、目立たない程度の汚れであれば、意匠性も保つことが可能な水洗いがメンテナンス方法として最適です。
詳しいメンテナンスの情報については下記よりダウンロードいただけます。
ステンレス壁のまとめ
今回はステンレス壁の特徴を、見え方や加工方法、耐食性やメンテナンスという観点からお伝えしてきました。
ステンレス鋼を用いた壁は、美しさという意匠の面だけでなく、清潔で長期耐久性を金属素地のみで持たせることが最大の特徴です。
汎用意匠や安価な意匠ステンレス材は、価格も標準化されており、アルコールなどでさっと油汚れを除去できるという特徴から、食品工場や倉庫、厨房の壁面に最適です。
これからのSDGsを意識した社会では、長期耐久性のある、美しさと機能を併せ持つ壁面で社会に貢献していくことができるかと思います。