世界的に資源が高騰しています。
限りある資源をリサイクルできる素材で持続的に循環することが必要です。
また、必要な部分に必要最低限の素材を用いることで、素材の使用量を低減することが可能となります。
今回は、省資源、超軽量 意匠ステンレス鋼についてご紹介いたします。
ステンレス鋼の構成成分とは
>>ステンレスの概要については下記コラムをご覧ください。
ステンレス鋼は鋼です。
鉄を主成分として、さまざまな希少金属を添加していくことで、耐食性に優れ、高温に耐える、加工しやすいステンレス鋼が作られています。
代表的な綱種の構成元素を紹介いたします。
①SUS304の構成(主成分)
鉄 + クロム +ニッケル
②SUS430の構成(主成分)
鉄 + クロム
耐食性と加工性能を上げるためにクロムやニッケルといった希少金属が用いられます。
ステンレス鋼の価格が変動する理由
ステンレス鋼は様々な成分が混じることで構成された鋼です。
ところがその成分である希少金属は世界的な需要と供給のバランスで値段が上昇したり下落したりします。
つまり、世界の状況でステンレス鋼の価格は変動するのです。
このような世界的な情勢で価格が変動するのは、アルミニウム、石油、など数多くあります。
見積もりした時期と実施時期が大幅にずれると世界情勢によっては尋常ではない価格差となってしまうこともあります。
ステンレス鋼の価格の変動幅抑えるためには
ステンレス鋼などの鋼材は重量単価で金額が決まります。
体積に比重をかけて重量を積算します。
その重量に時価である鋼材の重量単価を掛けることで、金額が算出されます。
>>ステンレス重量計算については下記コラムをご覧ください。
つまり単純に重量が軽いとそこに占める希少金属の重量も減り、変動幅の抑制や単価を抑えることが可能となります。
使用される環境や用途に合わせて、板厚を最適なものとすることで、省資源化し、世界的な価格高騰時期でも対応できる商品を製造することが可能となります。
また、できるだけ希少金属を含まない綱種を選定することも重要です。
特に、【ニッケル】は高騰するのでニッケルを含まないフェライト系ステンレスを採用することで、価格の変動幅を抑えることが可能です。
ご推奨しているのは、内装で美しい白銀の輝きを放つ【ホワイトステンレス】です。
>>ホワイトステンレスについては下記コラムをご覧ください。
省資源化に最適なフレキシブルステンレスの重量と効果
ステンレス鋼の重量を軽くすることで省資源化を図り、資源の節約だけでなく世界的な資源の価格変動に対応することが可能となります。
それでは、フレキシブルステンレスと他のステンレスの板厚ので重量比を見てみましょう。
フレキシブルステンレスは薄く軽いというメリットの反面、サイズが300mmx1000mmとなります。
その300mmx1000mmでの重量比較を行います。
この比較表から見てわかる通り、内装でも10倍近くの重量比となります。
もちろん板厚によってロールマージンなのでエキストラが発生するので、同じ重量単価ではありませんが、それでも金額的には大きなメリットです。
また、省資源化 SDGsの観点からも資源の持続的有効活用という意味では良い効果を得られます。
ただし、板厚が薄くなることで、強度面では不利になります。
強度的に必要ない場所などに限られますが、少しでも使用される箇所が増えると効果が上がってまいります。
フレキシブル意匠ステンレス鋼の外観
フレキシブルステンレスの外観をご覧ください。
今回は、フレキシブルステンレス本来の色合いであるシルバーと、黄金色に蒸着した2種の外観をご覧ください。
フレキシブルステンレスは、0.1mmのため、単体では反っています。
そこで背面にいろいろな素材での補強が必要です。
今回は、壁面に貼り付ける想定で制作したため、背面には強力両面テープ(アクリルフォーム)で補強しています。
折れ曲がっていますが、極端に鋭角なもので曲げない限り、曲げの型がつくことはありません。
自然なうねりのように、自重で曲がっているところです。
このように手で簡単に丸めることができます。
複雑な湾曲形状にも追従して貼り付けていくことが可能です。
自由に湾曲します。
背面にうねる造形の形状を作りそこに追従させていくことも可能です。
フレキシブル意匠ステンレス鋼の天井への展開
フレキシブルステンレスは省資源化による環境対応だけでなく、最大のメリットはその超軽量な特性です。
背面補強材との兼ね合いもありますが、かなりの軽量化となるので、吊り下げ強度やビス留め強度にも有利に働きます。
また、自由に曲がりるので、うねるような天井の製作にも活躍します。
下から見あげたアングルで撮影
下から見あげたアングルで撮影
下から見あげたアングルで撮影
フレキシブルステンレスについてのまとめ
フレキシブルステンレスは、2014年度の東京神宮外苑での展示会で3D水面ステンレスパネルのオブジェバージョンを展示しておりました折に、【金属は現地で切断できないので使いにくい】 【金属は加工が面倒だから大変だ】【金属は重いので困る】などのご意見があり、【ステンレスを壁紙のように扱えると良い】とアドバイスいただいたことで誕生した商品です。
これまではどちらかというとクラフト的な使い方ですが、昨今の資源高騰の煽りや、もっと自由な造形で誰も見たことのない空間を作る手助けになればとフレキシブルステンレスをご紹介させていただきました。
ぜひ、一度ご検討願えますと幸いです。