ビーズブラスト処理とは、一般的に「ステンレス鋼へガラスやジルコニアなどのビーズ状(球体)のメディアをエアーの圧力で吹き飛ばし叩きつけ、表面に梨肌の意匠を付与すること」を言います。
主に装飾目的で使用されるビーズブラスト加工ですが、部分的な加工やグラデーション表現も可能です。
ビーズブラスト加工におけるグラデーション表現は設備条件や置く場所(屋内外)によって見え方が異なります。
では、ビーズブラスト加工におけるグラデーションはどのような表現になるのか、今回は事例をもとに説明していきます。
ビーズブラスト処理について?
ビーズブラスト処理は、ステンレス鋼へガラスやジルコニアなどのビーズ状(球体)のメディアをエアーの圧力で吹き飛ばし叩きつけ、表面に梨肌の意匠を付与することですが、その目的は、表面を滑らかな鏡面にすることではなく、表面に硬質な素材を吹き付けることで凹凸を形成して機能性や意匠性を付与したり、研磨剤を吹き付けて研磨やバリ取りを行ったり、軟質な粒子を吹き付けて清浄したりすることです。対象となる素材は、金属をはじめ、プラスチックやガラスなどと幅広くなっています。対象となる形状についても、制限は少なく、その他の表面処理では加工が難しい複雑に入り組んだ形状や狭い溝の奥などを加工することが可能です。
詳しくは
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そして、ビーズブラスト加工は主に装飾目的で使用されますが、液晶基板製造装置や半導体製造装置向けは表面粗さを均一化して機能を発揮することにも使用されます。
<ステンレス鋼にビーズブラスト加工を行なった事例>
ビーズブラスト加工によるテクスチャー描画
では、部分的にビーズブラスト加工を施すどのようになるのでしょうか?
この日本古来の模様「雪持柳」をステンレス樹種複合版 ALOPLIC®︎SCMに対してビーズブラスト加工にて施工した事例です。
鏡面加工した部分とビーズブラストした部分でコントラスト表現がなされ、浮き出るように「雪持柳」のテクスチャーが表現されています。
ビーズブラスト加工によるグラデーション
では、ビーズブラスト加工においてのグラデーション表現は可能なのでしょうか?
グラデーションとは
「グラデーション(gradation)とは、色合い合いや・見た目・エフェクト・テクスチャなどが連続的・段階的に変化する表現のことであるようです。」
グラデーション表現について絵に示すと大体このような感じとなります。
左から右に向かって、徐々に異色合いが濃くなるグラデーション表現
上から下に向かって、徐々に異色合いが濃くなるグラデーション表現
ビーズブラスト処理におけるグラデーション表現について、ステンレス鋼( #400バフ研磨加工ステンレス)で説明していきます。
今回は、製造条件を変えた場合と見え方の違いを屋内、屋外に分けて事例をもとに紹介します。
ステンレス鋼( #400バフ研磨加工ステンレス)へのグラデーション表現
始めに、このグラデーション表現をステンレス鋼で行なっていきます。
識別がわかりやすくするため、#400バフ研磨加工ステンレスへビーズブラスト加工におけるグラデーション表現をしています。
一番上が#400ステンレス素地です。 長手方向にバフラインが確認できます。
2番目のライン(Gradation2)が濃いグラデーションです。
3番目のライン(Gradation1)は中間を狙ったグラデーションです。
4番目のライン(Gradation3)は逆向きの薄いグラデーション表現です。
角度を変えて撮影しています。
ブラストによるテクスチャー描画
製造条件を変えることでグラデーションは位置や濃さ、などを変化させることが可能です。
・設備条件を様々に変化させ、グラデーションの表現を試みた例。
屋内では、このような見え方になります。
よくあることなのですが、施策が屋内で行って屋外に出すとその効果がよくわからなくなることがあります。
逆もありますが、必ず、屋内外での外観確認は重要な確認項目です。
では、屋外での見え方の確認です。
角度を変えて、屋外での見え方。
周りに打ち込んでいる高速道路の木々類がグラデーションラインでぼやけたり隠れたりしているところが見ていただけると思います。
このように、ビーズブラストを用いたブラデーション加工は製造条件(設備条件)を操作することで、さまざまな表現が可能となります。
まとめ
このビーズブラスト加工によるグラデーション表現を行なったのは、2013年になります。
すでに、8年前の技術ですので、現在では、ビーズブラストだけでなくさまざまな表面仕上げでグラデーション効果を表現することが可能となっています。
もっと視認性の深いグラデーション加工も可能です。
是非、ご興味がおありでしたらご連絡、お問い合わせいただけますと幸いです。
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