ステンレスについて

ステンレス外壁の選び方は?最新情報から注意点まで解説!

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ステンレスの外壁というとどんな印象を持たれますか?ステンレスというとピカピカに磨かれた鏡の様な印象を持たれる方も多いと思います。
よく使用される理由として、「非常にさびにくい」「耐用年数がかなり長い」ことが挙げられますが、外壁などに使われるステンレスですが、実際にはどのように使用されているのでしょうか。

そこで今回は「ステンレス外壁の選び方は?」というテーマでお送りしたいと思います。

ステンレス外壁とは

実際に1980年代には鏡の様なピカピカのステンレスを用いた建築が随分建っていました。しかし時間の流れとともに、太陽光線の反射の激しい鏡面材料は反射公害と言われるようになって、だんだん Matteな表面になってまいりました。2000年になり代表的な建築が完成しました。

巨匠Frank Gehry作 Disney Cncert Hallです。

この外壁はステンレス鋼を用いた壁面となっています。
高耐食ステンレス鋼SUS316をベースに、光の効果を最大限に活かす意匠研磨加工を施しています。 反射は鋭角なスクラッチでとらえ、それ以外は反射を抑止し、デザインも独特な印象を与えるデザイニングステンレスです。

最近のステンレス外壁は?

最近のステンレス外壁デザインは一つの意匠デザインだけで描画されたデザイニングステンレスを全体に構成するという手法から、壁面全体で意匠を創り出すというデザインが出てきました。

詳しくは →壁面空間における金属パネル 
ステンレスパネルにおける不均質と均質の差について

では屋外に長く設置するとどうなるの?

屋外に設置したステンレス外壁パネルは長期間でどうなるか心配になりますよね。塗装した外壁だと色が褪せて、白っポくなったり、はがれてしまって地が出たり。

錆が出て全体が茶色くなったり、表面が劣化してボロボロの表面になったり、外壁に使用した素材によって変化はまちまちです。ステンレス外壁の価格は決して安くはないです。

しかし、施工時に適したステンレス鋼種を選択するとあまりメンテを行わなくても十分な耐優正が確保されます。

この円形状のステンレス外壁は30年以上経っています。弊社の工場のパネルです。ほぼメンテナンスをしていないです。30年以上経っても赤茶けたり、ボロボロになったりはしていません。ちなみに、工場は高速のインターチェンジのすぐそばです。

大陸からPM2.5も黄砂も飛来するので、ステンレス外壁にはあまり良くない環境です。それでもこれだけきれいに保っています。

では、次に屋外暴露中の設置後約6年目のステンレスパネル外観を見てみましょう。

遠目で見るとこんな簡易ですが、近づいてみますと、

こんな感じで、チリ埃が表面に付着しています。これは屋外暴露中のノーメンテなのでこれほどついていますが、定期的に高圧洗浄機などでメンテナンスを行うときれいな表面を保ちます。

平たい面の鏡面ステンレスパネルは汚れが目立ちますが、3Dパネルにすると汚れがついても目立ちにくくなります。

ステンレス外壁で注意する事は?

ステンレス外壁価格、ステンレス外壁工事費は安くはありません。
そこで、ステンレス外壁なら何でも良いと思って、ステンレス外壁材価格を下げるために、安いステンレス鋼種を使うとどうなるか?

これは、先ほど弊社の工場に設置してあるステンレス外壁パネルの真横に取り付けたステンレス外壁パネルです。良く見てください(右側拡大写真)これが【赤錆】です。錆びてます。

ここまで錆びると復活できません。市販の錆取液を掛けても、一時的には多少ましになりますが、すぐ錆びます。

なぜ、同じ環境 同じ位置で ここまで差があるのでしょうか?

答えは、「ステンレス鋼種が違うから」です。
錆びてないステンレスはオーステナイト系SUS304です。
錆びているステンレスはフェライト系SUS430です。

この二つの大きな違いは、ステンレス内部に含まれるクロムやニッケルの量の違いです。SUS430はステンレスの中でもとても安い部類の鋼種です。 それ故に屋外で使用するとこのようにすぐに錆が出てしまいます。
ステンレス鋼はさびにくい金属です。つまり、ステンレス鋼のグレードはどれだけ錆びるまでの時間を稼げるかというところが大きな性能差となるのです。

ステンレス鋼種の選び方は?

ステンレス外壁に使用するステンレス鋼のグレード選びについてご紹介します。内陸部で海から遠く、平野で山からの飛来物や火山灰などの飛来物がないならば、汎用ステンレス鋼SUS304で大丈夫です。

でも、近くにスクラップ工場や酸性の煙を出す工場、塩素を使う施設がある場合はご相談されるのが良いです。つぎに、海に近い、または海風が飛んでくる等の環境の場合は高耐食鋼種が必要です。

SUS316やNSSC220Mがお勧めです。とくに、NSSC220Mは大変外壁用途としては優秀な鋼種となります。

最後に

ステンレス外壁には建物の印象を引き立たせたり、これまでにない印象を与えることが出来ます。 全体だけでなく、部分的にステンレス外壁を使用する事で他にはない独自性を持った印象を創り上げることが出来ます。

ただし、これまでご紹介した通り、ステンレス鋼種にはグレードがあります。使用する場所や環境で最適なステンレス鋼種は変化します。むやみにハイグレードな鋼種を使わなくても良いと思いますので、適正な性能をご選択されることで長期的な面からもステンレス外壁価格を検討して頂ければと思います。

ステンレス外壁に関してご質問があれば、気軽にお問い合わせください。ステンレスメーカーと一緒に最適なご提案をさせて頂きます。

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