私たちは日々の生活の中でスマートフォンやガラス、調理器具など様々なものを手にします。
何かを手に取ったときに気になるものが「指紋」。金属製品は指紋が付くとなかなか取れず、中でもステンレス製のものは非常に指紋が目立ち、除去しづらくなってしまいます。
金属製品をより綺麗に保つために、今回は指紋が付いた場合の対処方法をご紹介します。
一般的なヘアライン、ステンレスバイブレーションの場合の洗浄方法を動画で解説、更に事前の指紋対策として「MaCoat GC」もご紹介しております。
指紋について
人間の指先にある皮膚から汗腺の開口部が隆起した線(模様のような隆線)によりできる紋様で、この紋様が金属表面に付着した痕です。
指紋の形状は人によって全て異なっています。
そして、付着する指紋の成分はアミノ酸と脂質と言われております。
脂質は油のようなものです。触るとそれが金属表目に付着してしまいます。
ガラスのコップなどをつかむと白く透明な指紋が見れます。
金属と指紋
身近なところだとスマートフォンの画面に付着する指紋。
ハンカチやテッシュで拭くと簡単に取れたように見えます。
最近は、対指紋フィルムなどが登場して、指紋の脂分がつきにくかったり、
付着しても指紋が見えにくい構造を持つ商品が多数販売されています。
ところが金属に付着した指紋はなかなか取れないと言われています。
ガラスなどと同じように簡単に除去できるのは鏡面研磨加工、バフ研磨加工の商品です。
誤解があるのですが、これらの鏡面、バフ鏡面は表面が非常に平滑でガラスのような表面です。
指紋がつくとついつい、何か洗浄剤をつけて拭きたくなるのですが、初期の指紋汚れであれば乾いたテッシュペーパーや乾いたタオルで拭くと綺麗になります。
おすすめしているのは工場などで使用するマイクロファイバークロスです。
初期の汚れであれば簡便に除去することが可能です。
対して、ヘアライン研磨加工品やバイブレーション研磨加工品は非常に指紋が目立ちやすくなります。
しかも表面に微小な凹凸があるので指紋が除去しずらいと言う特徴があります。
それゆえに、ステンレスなどの金属の指紋は取りにくいと言われます。
指紋や汚れがついたらどうすれば?
では、実際に指紋や汚れが付着した場合の対処方法についてご説明します。
最初に、指紋の成分について記載した通り、油とアミノ酸です。
この指紋を構成する物質を溶かすもので洗浄すると除去できます。
汚れも同様に付着している汚れの成分を溶解させるようなもので洗浄すると除去できます。
ここでポイントなのは、指紋や汚れを溶かすもので洗浄した際に、必ず【追い拭き】することです。
せっかく表面から指紋や汚れが溶けた液体となっていのに、それを放置するとまた乾いて表面に付着します。
厄介なのは、汚れが伸びた状態で再付着するのでますます汚くなってしまいます。
また、洗浄剤も市販色々ありますが、基本的にあまり混ぜ物が多いものは表面に最終的に残ります。
単純な成分構成の洗浄剤がお勧めです。
例えば、ステンレス鋼 バイブレーション研磨商品を用いた建具部分の指紋除去のケースを見てみましょう。
左写真のように指紋や汚れが付着しています。
これはほとんどが油分です。
従いまして、脂質(油)を分解するもので洗浄すると綺麗になります。
このクリーニングの場合は、アルコール系やヘキサン系の溶剤でクリーニングしています。
または、市販のブレーキパーツクリーナーでも指紋や汚れの状況にもよりますが綺麗になることがあります。
手順としては、複数の洗浄用材を準備して、一部分を拭いてみて取れるか取れないかを判断してから洗浄剤を決めるとうまくいきます。
汚れ洗浄に欠かせない追い拭き
では実際に指紋や汚れを除去するやり方をご説明します。
まず、金属表面に付着しているチリや埃などを、乾いた布やハタキで除去します。
これが残ったまま液体で拭き上げると、汚れだけでなくこのチリ埃も溶け合わさって金属全面に伸びるように付着していきます。
従いまして、事前の除去は大切です。
次に、あらかじめ試した洗浄剤を使い表面の指紋や汚れを溶かし込んで拭き上げる作業になります。
この時重要なのは追い拭きです。
指紋や汚れを洗浄剤で擦ると板表面から溶け出して剥離しますが、それはこの洗浄液内に取り込まれています。
すなわち乾くと汚れが板表面に再付着します。
それゆえに、洗浄液内に取り込まれているときに追い拭きという新しいウエスなどでこの汚れた洗浄剤を拭きあげることが重要です。
具体的にみてみましょう。
少し古い動画ですが、ご覧ください(MAKOロゴが古いロゴになってます)
今からご紹介する動画は、初期の手垢や汚れに適用できますが、時間が経過した指紋汚れなどはもっと強力な洗浄剤が必要になります。
まず、一般的なヘアラインの洗浄です。
※動画リンクはこちら
次は一般的なステンレスバイブレーションの洗浄です。
※動画リンクはこちら
次は、ステンレス鏡面研磨商品への指紋や汚れ洗浄についてです。
これは今までと違い、細かい粉状のもので洗浄します。
簡単ですが、床などに粉が落ちるので適量で作業する必要がございます。
※動画リンクはこちら
初期の汚れの段階であれば、身の回りのもので簡単に指紋などは除去できます。
しかし、長く放置しておくと、酸化が促進したり、腐食したりして簡便な洗浄剤では取れなくなってしまます。
そうなると専門の薬液を使用したプロ用洗浄剤などを用いて洗浄することが必要となります。
多くは、酸やアルカリを含むもので、洗浄後の水洗いなどかなり専門的なスキルを使用することとなります。
日々メンテナンスをしておけばそういうことも起こりにくくなります。
簡便に指紋対策を打つためには
それにしても日々の洗浄など面倒な作業をできるだけ減らしたい場合には、ステンレスの意匠研磨仕上げ商品の指紋対策品を選定いただくなど、材料面から工夫をするか、すでに取り付いていたり、加工されたものに対応する場合には、後塗りのコーティングが有効です。
弊社商品にはなりますが、耐指紋コート MaCoat GCという商品がございます。
後塗りが簡単で、効果が高いガラスコートです。
手間を省くにはちょうど良い商品となっています。
<MaCoat GC商品ページ>
>>詳しくはこちらから
※動画リンクはこちら
<MaCoat_GCの撥水性能>
※動画リンクはこちら
まとめ
金属に付着する指紋や汚れは見た目も悪く不評ですが、
洗浄手順さえ知っていれば簡単にクリーニングすることが可能です。
また、メンテナンスの手間を省くためには、
耐指紋性能が向上した意匠ステンレス商品を使用したり、
耐指紋コーティングを施すことで簡便に対策を打つことが可能となります。
是非、お試しください。
<材用販売・ガラスコーティング液販売>
東洋ステンレス研磨工業株式会社 販売部門